中心的に検討してきたのは身近な人を自死で失った人がその経験をどう意味づけるのかについてです。これは自殺予防のセクションで詳しく説明したいと思います。
グリーフ研究で著名な意味再構成理論(Meaning Reconstruction Theory)についての検討を行っています。
また日本の社会文化的文脈を考慮したグリーフを実証的に捉えるために、意味再構成や継続する絆に関する新たな心理尺度を開発しています。
関連文献(例):
関連プロジェクト(一部):
- 基盤研究(C)超高齢多死社会における絆と死生観-高齢期の死への態度についての実証研究と理論検討(研究代表者)
災害や事故等の異状死により死別を経験した遺族のグリーフと支援に関する検討を行いました。
また災害で家族を失った人へのフィールドワークやインタビュー調査を通じて、共同体や儀礼の中でその喪失をどう意味づけるのかについて検討しました。
関連文献(例):
- 川島大輔・坂口幸弘・福永龍繁・川野健治 (2021). 異状死による死別を経験した遺族のニーズと状況――東京都監察医務院の面談記録を用いた探索的研究 グリーフ&ビリーブメント研究, 2, 67-75.
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川島大輔・浦田 悠 (2016). それからを生きるための宗教―阪神淡路大震災からのメッセージ 松島公望・川島大輔・西脇 良 (編著), 宗教を心理学する―データから見えてくる日本人の宗教性 誠信書房 pp.45-60.
関連プロジェクト(一部):
- 基盤研究(B) 宗教性/スピリチュアリティと精神的健康の関連-苦難への対処に関する実証的研究(研究分担者)
死別に限定されない多様な喪失と、そこで経験するグリーフについて、特に地域共同体でそれを共有するために必要なリテラシー(グリーフ・リテラシー)について、国際的な研究チームの中で検討を重ねています。よろしければ、こちらの記事もご覧ください。
関連文献(例):
- 川島大輔 (2020). 多様な喪失とグリーフ・リテラシー――思いやりに満ちたコミュニティの実現に向けて 心と社会, 182, 57-62.
- Breen, L., Kawashima, D., Joy, K., Cadell, S., Roth, D., Chow, A., & Macdonald, M. L. (2022). Grief Literacy: A call to action for compassionate communities. Death Studies, 46(2), 425-433.